要塞都市エリドゥ内での一幕
「先生……どうして貴方がそちら側にいるのですか。あの時、破綻を回避する為に火を着けた貴方が。」
「あの時に火を着ける選択をしたのは、世界を救うためだとかそんな崇高なことは全く考えていなかった。」
「ただ、恩人の遺志と友人の意思を天秤にかけて……それで恩人を選んだだけだ。そう、あの時の俺は猟犬であることを"選んだ"。」
"だけれども……今、ここにいる私は先生なんだ。"
"大人として、生徒を切り捨てて得られる目先の平和を選ぶくらいなら、先生として、全員が"笑える"道を最後まで探し続ける。"
"自由はただの無法なんかじゃない。自分のした行動の責任は自分で背負うこと。"
"だから、私の"自由意思"の下に選んだんだ。"
"全ての責任は私が背負うよ。だから、まだアリスを諦めなんかしたりしない!"
「……そうですか、先生。いえ、"レイヴン"。」
「私も選んだのです。このキヴォトスに降りかかる災禍を全て打ち砕くことを。」
「ミレニアムの皆が……そして、あなたがいるこのキヴォトスを守ることを。」
"……そうだね。私はその選択が間違いだと言うつもりはないよ。"
"きっと、私の選択だって正しくないし、間違ってもいない。それは後になってわかることだから。"
"だから、今から始まるのは指導でもお説教でも何でもない。"
"やり方が違う2人が自分のワガママを押し通そうとしているだけ。"
"つまりは……ただの喧嘩だね。"
「……ええ、そうですね。勝っても負けても恨みっこ無し、ですね。」
"……行くよ、エア!"
「行きます!レイヴン!」
"「メインシステム、戦闘モード起動!」"